こんにちは!ハーゲルです。
薄毛は男性に限らず、女性にとっても非常に重いコンプレックスとしてじんわりと私達を暗い人生へと追い込んでいきます。現在の医学をもってしても完全な遺伝による薄毛の完治は難しく、また治療費用もバカになりません。
そんな薄毛と人類の戦いを遡ると古代エジプトまでたどり着きます。なんでも当時は色んな動物の脂肪を頭に塗っていたのだとか。薄毛治療への並々ならぬ執念が伺えますね…
そして1930年代、今から80年以上も前にとある画期的な薄毛治療の方法が発表されました。その名も…
『Xervac』(ザーバック)
なんだかかっこいい響きですね!今回はこのザーバックというマシンについてお話しします。
1937年に発明
1930年代にアンドレ・クエト博士とポウェル・クロスリー博士が研究を開始し、1937年に発表に至るまでに完成させたのがザーバックです。

Curing baldness in the 1930s
こちらの機械はヘルメットのような見た目をしており、それがホースで四角い機械と繋がっています。
頭にかぶることで、機械の電源を入れると吸引と加圧を繰り返し、頭の血流を良くすることで髪を生やすのだそうです。
「え?」と思ったあなた!正直私もそう思いました…
当時はまだそれほど薄毛の原因が詳しくわかっておらず、現在のような治療法もありません。
アンドレ・クエト博士は薄毛の研究を数年行い、その結果どうやら頭皮に循環する血液量が少ないために抜け毛が引き起こされるのだと結論づけました。
そこで頭皮への血液循環を改善させるためにクロスリー博士と共同で開発したのがこのザーバックです。
データはありませんが、ザーバック完成後にクロスリー博士は自分自身の頭皮で機械を試し、発毛を成功させて商品化に至ったそうです。
1938年に新聞広告に載る
このザーバックですが、なんと翌年には「Hydro-Vac Machine」として早速新聞に載っています!その様子がこちらです。
当時これを目にした薄毛に悩める人々はどう感じたのでしょうか?今なら胡散臭すぎると一喝されるような記事も、当時ではまた違った印象があるでしょう。
「New Hair or Money Back」という、「髪が生えるよ!生えなかったらお金は返すよ!」今よくある宣伝文句で実際購入した人は結構いるのではないかと思います。
しかもきになるお値段は150ドル程。とは言え1930年代は現在とはお金の価値が違います。調べてみると、当時の150ドルは現在の2700ドルほど。なんと日本円にして約30万円です。
これで薄毛が治るのなら安いのかもしれませんが、得体の知れないものに30万をポンと支払える人はなかなかいませんね。ただ、「キャッシュバックがあるなら…」と手を出す人はいそうです。
1940年代以降は?
この頃はまだAGAの原因はもちろん、薄毛に効く治療法も確立していませんでした。ミノキシジルが最初に高血圧の薬として処方されたのが1961年で、その後AGA治療薬「ロゲイン」として販売されたのが1980年代で、フィナステリドがAGA治療として認可されるようになったのは1997年です。
効果的と認められるようなAGA治療薬が出る前にはどのような治療が他にあったのでしょうか?
熱帽子(THERMOCAP)
これまた珍妙な発明なのですが、中にランプのある金属の被り物を頭にかぶせ、ランプの熱で頭を温めることにより血流を良くし、発毛を促す…というアイデアです。

こちらはザーバックの製造前、1925年とだいぶ早い段階で登場しました。アメリカ、ニューヨークのアリードメルクという会社によって作られ、当時の技術力をふんだんに使った発明品です。
販売前に発明者であるアロイド・メルク本人がその効果を試し、十分機能することが確かめられたそうですが、その詳しいデータは不明です。
当時は大真面目に発明をしていたのでしょうが、写真の様に熱帽子を被って新聞を読んでいる様子はなんとも言えない悲愁を感じます。
植毛技術の発展
1939年、日本人医師の奥田庄司博士により世界で初めて植毛が成功しました。この植毛技術は「Okuda-treich法」と名付けられ、以後30年に渡って標準術式となるなど、まさに植毛界に新たな道を切り開きました。この人のおかげで今の植毛があるんですね!
おわりに
現在の視点から見ると、昔の発明は滑稽なものに思えてしまいますが、昔の研究が積み重なって今があります。幸運にも現在は植毛やAGA治療薬で薄毛をだいぶ改善することができる時代です。
薄毛が改善するかどうかも分からない中、高額な薄毛治療方法を試す過去の薄毛に悩める人たちよりもよっぽど恵まれています。今薄毛に悩んでいるなら、きちんと知識をつけて自分で治療を始めましょう。
お医者さんだけでなく、ネットでも色々情報を集めるといいですよ!私のブログの【ハゲ速報】でも色々な情報を発信しているので是非ご覧になってください。
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